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Channel: 原始人の見聞
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「歌貝(うたがい)」の始まり

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「歌貝(うたがい)」の始まり
 平安時代頃より始められた貝合わせの遊びが、あまりにも単純すぎて興味が薄れたので、室町時代の中頃から歌貝という遊びが始まった。それは歌の贈答に、上下の句を貝の裏に書き分けて裏を上に出す。このほかは地貝、出し貝すべて、貝合わせのようにして取る物で、『宣胤卿記』の文明13(1481)3月10日のくだりに「貝の裏の歌のこと、二条前宰相の方より所望せらるる書様のこと、一条亜相に尋ぬ、一首のとき上の句は右に有るべし、このこと度々書かしむるといえども、後の証となして今これを注す」とあり、また長享3年(1489)8月9日のくだりに「今日中山黄門より貝の歌のこと所望せらる書様のこと云々、貝の左右に各一首書く、贈答の歌これを書くの間、贈を右に、答を左に書く所なり、古今の恋の歌これを書くに、貝の裏の歌のこと、左右に一首をわけ候て御書候はば右の出貝上句を書くべく候云々」とあるのを見ても当時は盛んに行われていたことが判る。

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