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Channel: 原始人の見聞
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「歌垣(うたがき)」の始まり

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「歌垣(うたがき)」の始まり
 嬥歌会(かがいかい)とも称し、男女が多く山野に会合し、互いに手をつないで垣根を結ったようになって歌を唄い、舞踊しながらその間に配偶者を選ぶことを言う。その始まりははっきりしていないが、神武天皇が大久米命を仲立ちとして三輪五十鈴媛命と高佐士野(たかさしぬ)で出会い、歌を唱和して意を通じ、妃としたことに始まるという。
 また、武烈天皇が皇太子の頃、平群眞鳥の子・鮪(しび)と物部麁鹿火(あらかび)の娘・影媛を歌垣の場で争ったことが、歴史に見えた始まりである。これは男女の縁を取り持つには、この上ないものであったらしく、『万葉集』の中に「鷲のすむ、筑波山の、もはき津の、その津の上に、いざなひて、をとめをとこの、往きつどひ、嬥歌ふかがひに、人妻に吾れも交らむ、吾がつまに人もこととへ、この山を、うしはく神のむかしより、いさめぬわざと今日のみは、目ぐしもなみそ、こともとがむな」とあるように、中には男女間の不倫な関係さえ結ばれたのである。

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