「料理の方式(りょうりのほうしき)」の話
室町時代中期より食物を割烹調理することを「料理」と言うようになり、俎(まないた)の長さ・高さ・脚の大小、包丁、魚箸などに各流派が生じ、寸法を定め、その据え方、持ち方にも一定の規則に従い、また飯の食べ方にも左一箸、右一箸、向一箸、この三箸を一口で食べるべしと言うように、肴の食べ方は一山、二海、三野、四里の順番で食べ、吸物を吸う時はまずその汁を吸ってはいけないというように、酌の取り方、酒の飲み方にいたるまで法式の煩わしさなど一通りではなくなったのである。
日本料理の特徴は箸を用いて食べることであるが、それについて昭和26年(1951)9月に来日した音楽家メニューヒンは「日本に来てから箸を持って食べることを覚えた。考えてみると、ヨーロッパのナイフやフォークは凶器で、人を傷つけることができる。しかし箸では傷つけられない、箸で食事をしていると、平和が感じられて、日本人の美しさが食にしみてくる」と言っている。
中世の調理
画像の出典:酒飯論絵巻