「湯漬(ゆづけ)」の始まり
飱飯(ゆづけめし)とも言い、飯を湯にすることは平安時代の頃から行われていた。これは強飯ではなく常の飯を用い、室町時代には酒宴の後にこれを食することが例となっていた。『貞丈雑記』には「湯漬は東山殿(足利義政)御酒に酔せられしにより、供御に湯をかけて参りしより始まりしなり。これによって、湯漬の時は、まず盃を出して、さて湯漬を出すなり。また湯づけ食うには、先めしに湯をかけて食うさいは一番に香の物よりくい初る事、酌并記に見えたり。ゆづけは右にある如く飯に替る事なし、膳を出して直に湯桶を出すこと、常の飯には替わりたり、今世上に湯漬と言うは、さい数を少なくするなり、本膳には汁を置かず、二の膳に汁を置いて出す。本膳、二の膳ともにさい数は定めぬ事なり」と書いてある。
湯漬
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