Quantcast
Channel: 原始人の見聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1929

「女芸者(おんなげいしゃ)」の始まり

$
0
0
「女芸者(おんなげいしゃ)」の始まり
 男芸者に対して女芸者が生まれた。その始まりは山崎美成の『三養雑記』によると「吉原の女芸者といふものは、宝暦の頃(17511764)、扇屋の歌扇といふものにはじまり、そのはじめは歌扇ひとりなりしが、後おひおひに、外の娼家にも茶屋にもいで来て、細身のやりての前のところに「芸者誰、外へも出し申し候」などとかきたり、これよりはるか後に大黒屋秀民といふもの、けんばんを立てたり、芸者を、おどり子と肩書して、見せへも遊女と同じくならび居て、客をとりたる娼家もありぬ。尤も彼等はうしろ帯にて店に並び居たり、その前は芸者というものはさらになく、遊女の中にて三味線をひき唄もうたひしこにて、多くは薪造なり、三味線のできる新造をあげよなどといひて、呼て弾せたることあり、みせになみいるときも、みな唄をいたひ、三味線をひきたるなり、これむかしよりのさまにて、中ごろよりこのならはしは、いつとなくやみたり」とあり、最初の芸者は何の事はない遊女との差は紙一重であって、ただ遊女の前帯に対して後帯であっただけのことである。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1929

Trending Articles