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Channel: 原始人の見聞
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「炭(すみ)」の始まり

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「炭(すみ)」の始まり
 日本人の生活に欠く事の出来ない炭については、承平年間(931938)に成立した『倭名類聚鈔』に記載されており、昔から諸国で産出していたが、中でも山城国の鞍馬山および小野の里からの炭が最も名高く、俗にこれを焼炭といった。次いで茶亭の炉で用いる切炭は摂津国の池田、丹波国の土倉で作られ、丸く大きな炭は胴炭と呼び、切断した炭を割炭と称し、薄切りを輪炭と名付けた。また、河内国の光瀧から産する炭を白炭または細炭と言っていた。なお、佐倉炭は下総国印旛郡富塚村の川上右仲という人が元禄3年(1690)に作り始めた炭で、池田炭は佐倉炭よりも古く、天正2年(1574)に中川清秀によって創製されたものである。
 備長炭は元禄年間(16881704)に紀伊国田辺の人、備後屋長右衛門が良炭を作り始めたので、この名が残っている。

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