「簾(すだれ)」の始まり
夏に開け放しにした部屋の見通しを塞ぎ、あるいは涼しさを掬うために遮蔽物として用いた。『人倫訓蒙』によれば、崇神天皇の御代に翠簾師という者がおり、奈良時代には既に用いられ、『万葉集』の中にも「君待つと我が恋ひおれば我宿の簾動かし秋の風吹く」と額田王が詠じているので判る。
古くは玉垂(たまだれ)と言って玉を緒に貫いて並べて下げたもので、後世の氷屋などで見かける物と思えばよい。次いで、葦や竹などで編んでこしらえたという。
なお、江戸時代からは、人が死んだ時に、民間に於いて簾に忌中の札を下げる事が風習となった。