$ 0 0 「すき油(すきあぶら)」の始まり 髪をすく時に用いる油で、胡麻油に生蝋(なまろう)を加えた煉り油である。江戸時代中期ごろには、既にあったと思われ、元禄12年(1699)版の『初音草噺大鏡』に流行物を紹介し、「女形(おやま)荻野澤之丞がすき油」とあり、さらに宝永2年(1705)版の『俳諧菊枕』にも「湯あがりの縮(ちぢみ:縮織物)に匂うすき油」と言う一句が載せられている。