「山階道理(やましなどうり)」の語源
本来は非道なことであっても、権力によって道理として通すことを例えていった言葉である。
「山階」は大和国奈良の山階寺のことで、山階寺は興福寺の古称である。
山階寺は藤原不比等が建立した寺で、藤原氏の権勢をかさにきて非道をおし通したところから、山階寺の非理非道は道理として通用し、逆らうことが出来なかったことから出来た言葉である。
平安時代後期に成立した歴史物語『大鏡-五』に「不比等の大臣は山階寺を建立せしめ給へり(略)いみじき非道事も、山階寺にかかりぬれば、又ともかくも人もの言はず、山しな道理とつけて、おきつ」とあり、平安時代から使われていた言葉である。