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Channel: 原始人の見聞
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「後妻打ち(うわなりうち)」の始まり

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「後妻打ち(うわなりうち)」の始まり
 「うわなり」とは妻以外の第二夫人や妾のことを言ったが、先妻と離婚して新しく迎えた妻のことを言った。
「後妻打ち(うわなりうち)」とは、男が離婚後1ヶ月以内に後妻を迎えた時に起こったもので、先妻が親しい女友達に頼み、身分に応じて20100人を呼び集め、新妻に使者を送って「御覧これあるべく候、騒動打(うわなりうち)に○月○日○時に参るべく候」と口上で伝え、その時に持参する道具(竹刀、棒の類)を通告する。新妻の方では「驚き入り候、なにぶんにも御詫び言申すべく」ともの柔らかに答える者もあるが、多くは一生の恥なりと意地を張って「なるほどごもっとも、心得相待ち申すべく候、○日○時待入候」と言って挑戦を受ける。
 当日になると先妻は輿に乗り数多くの女を従えて行き、あるいは袴を付け、タスキを掛け、髪を振り乱し、または被り物や鉢巻きをして、手に手に得物を携えて新妻方に押し寄せ、まず台所から突然に侵入し、鍋釜などの道具を壊し、思うがままに乱暴狼藉を極める。その時新妻の仲人の妻が折を見計らって双方の中に入り、調停して帰らせるのである。男が介入することはない。
 室町時代末期から江戸時代初期にかけて行われた珍しい風習である。
 
イメージ 1
往古うはなり打の図  歌川広重画
画像の出典:ウィキペディア

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