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「印章(いんしょう)」の始まり

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「印章(いんしょう)」の始まり
 人に信(まこと)を表し、かつ偽(いつわり)を防ぐために用いられる印章の起源はすこぶる古く、支那ではこれを「璽()」と言ったが、秦時代からは天子のものを「璽」と呼び、臣下のものは「印」または「章」と呼ぶようになった。日本でも勅語や勅令の末尾に「名御璽」とあったものは、すなわちこの印章のことである。
 文武天皇の(704)4月9日に鍛冶司(かじや)に命じて諸国の印を作らせた。これが日本国の官衙(かんが:役所)で印章を用いるようになった始まりである。また、木製の印は既に持統天皇の御代からあったという。
 平安時代には、印章は一種の信任状を意味しており、印綬を佩()びるとか、印綬を解()くとあるのがそれである。
 日蓮上人が波木井六郎に与えた書状に「所(しょ)らうの間、判形を加へず候事恐入り候」とあり、鎌倉時代には単に署名しただけでは人がもう承知しなくなっていたことが判る。
 次いで、室町時代になって、武人の間に印章を用いることが盛んになり、さらに江戸時代初期から、次第に一般庶民の間でも用いられるようになった。
 印材には玉(ぎょく)、石、水晶、瑪瑙(めのう)、琥珀(こはく)、硨磲(しゃこ:シャコ貝)、珊瑚(さんご)、陶、磁、金、銀、銅、鉄、牙、角、竹、木、合成樹脂などがあり、刀法には正入正刀法、単入正刀法、双入正刀法、衝刀法、渋刀法、遅刀法、留刀法、復刀法、軽刀法、埋刀法、切刀法、舞刀法、平刀法などがあり、なかなかやかましいものである。
 
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金印「漢委奴国王」 福岡市博物館蔵
画像の出典:ウィキペディア

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