「映画館(えいがかん)」の始まり
明治30年(1897)の春、東京浅草公園六区に仮設されたバラック建ての日本シネマグラフ館が4月8日から「自動幻画」といったフランスのリュミエル式シネマトグラフを興行したのが始まりである。しかし、本式のものでは明治36年10月に、それまで電気仕掛けの見世物小屋であった浅草公園の電気館が模様替えをして椅子席になり、映画常設館となったのが日本における映画常設館の始まりである。当時の入場料は、大人3銭、小人1銭5厘であった。
次いで、パノラマ館は帝国館に、青木玉乗りは大勝館に、勤工場は三友館に、女芝居は日本館にと、それぞれ映画館に転身して、浅草六区の工業界はすべて映画街となってしまったのである。
浅草電気館
画像の出典:大映作品宣伝案内64年9月号