「無鉄砲(むてっぽう)」の語源
何か事を行う場合に、向こう見ずで怖いもの知らずであるという意味に用いられている。
「無手法(むてほう)」「無点法(むてんぽう)」「無天罰(むてんばつ)」などが転訛して出来た言葉と言われている。「無手法」は字の如く手法が無い、すなわち物事の仕方がなっていないと言う意味、「無点法」は漢字に読み方を示す訓点が付いていないと言う事で、全く理解できない無茶であるという意味、「無天罰」は天罰も恐れないという意味である。
江戸時代中期の柳亭種彦が著した『柳亭記』に「元禄よりはるか古き册子(そうし)に無天罰者と書きたるがあり、むてっぽうとは無天罰の訛り、天罰知らずというに同じ、はや元禄の頃は言い誤りそれを名につけたるなるべし」とあり、ほぼ「無法者」というのに等しい。単に、大胆であるというよりも、いくらか愛嬌者の性格があり、はらはらするような行動も平気でやってのける、一種の困り者のような、しかも憎めない存在である。