「宮(みや)」の語源
宮の語源は御家(みや)の意味で、高貴の邸宅を指している。すなわち、『古事記』に素戔嗚尊(すさのおのみこと)が須賀宮を建て、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が高千穂宮を造った事が見えている。その後、神武天皇が橿原宮に住んでから歴代の天皇が各地に宮殿を営んだので、皇后または仙洞御所を何宮と言う事になり、それがいつしか宮殿に住む皇太子や皇后などを指して東宮、春宮、中宮、秋の宮などと呼ぶようになり、皇族は居所より起こった名称に宮を付ける例が最も多く、以仁(もちひと)王を高倉宮、邦良親王を木寺宮などと呼んだ。
また、拝任の官職や入室の寺院に因んで呼ばれたものには、中務宮、弾正宮、帥宮、仁和寺宮、雲林院宮、聖護院宮、輪王寺宮などがある。
さらに、宮殿に住んでいた高貴な人を祀る社にも宮を付けるようになり、伊勢神宮、熱田神宮、平安神宮、明治神宮などは人神を祀った社号よりも重いとするようになった。