「水商売(みずしょうばい)」の語源
江戸時代末期頃、江戸西両国町の河岸縁(かしぶち)に、葦簀張(よしずば)りの水茶屋が19軒ほど並んでいた。そこでは、夏の暑い時に冷水を売ることを表看板にしていたが、その中で東屋・立花屋・宇田川屋・武蔵屋などの茶屋は、つぶよりの綺麗な若い女を置いて、奥の小座敷にお客を招き、秘密の商売をさせるのが本業であった。それから、誰れ言うとなく「水商売」という言葉が生まれ、後には冷水を売る事とはまったく違った収入の不確実な商売、たとえば待合い、料理屋、貸座敷などの意味に用いられるようになった。
また、主に酒や女色を売り物とする商売で、客のひいきによって成り立て居るために、収入も不確かだし盛衰も激しく、まるで流水のように一定しない不安定な商売という意味で、「水商売」という名が付いたという説もある。
さらに、古く娼妓や芸妓などの商売が泥水のように汚れた世界という意味で、泥水稼業とか泥水商売と言ったところから出来た言葉であるという説もある。