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「性科学(せいかがく)」の始まり

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「性科学(せいかがく)」の始まり
 アメリカのインディアナ大学の性科学者キンゼイ博士が1948年2月に『女性の性行為』を著して全世界に性科学ブームを起こしたが、日本では大正3年(1913)5月に小倉清三郎が日本で最初の性心理研究会として「相対会」を設け、その会員が提出した資料によって性的経験概論、週期末の特徴、自慰の意義および効果、夫婦生活、利己主義と夫婦生活、不釣合の調整、連想の媒介による春的刺激の増加、古今を貫く人情の機敏、処女と娼婦などの論文を執筆している。
 次いで、大正11年に山本宣治が安田徳太郎の協力により、「正常な人間の性生活の通則を発見する目的」で「日本人青年の性生活に関する調査」を京都の同志社大学で始めた。そして、大正1310月に研究の一部が『生理学研究』に発表されたが、わいせつでけしからん仕事として医者の仲間から物言いがつき、中断されてしまった。
 大阪市立大学動物発生学の朝山新一教授によって、昭和22年秋から研究が始められ、ようやく昭和24年に日本で最初のまとまった性科学書として『現代学生の性行動』が京都の臼井書房から刊行された。それは高校生の男子423名、女子639名の中から調査されたもので、それによると
  性の関心は最低8歳から始まる。
  19歳で性的に成人する。
  156歳に最初の射精を経験する。
  戦後、接吻熱が高まる。
  接吻の初経験は夏が多い。
  女性の性交欲は男性より遅れる。
  男性の初体験はほとんど年上の女性。
  男は性欲、女は恋愛を動機とするものが多い。
  場所は男女とも女の家が多い。
  接吻の初体験は19時から22時が50%を占めている。
この性科学の資料は何を教えているかと言えば、人間のセックスは単なる繁殖の手段ではなく「生活」であって、人間を高め成長させる要因として働く。人間の性は肉体的な生殖物質の放出ではなく、常に精神を伴うくらしである。この精神と肉体の統一を失う時、性は猥褻なものになり罪悪となる。
なお、キンゼイ博士の調査によると、アメリカでは結婚前に性交を体験した女子は約50%であり、男子の場合は80%に達している。すなわち、処女は50%、童貞は20%ということになる。
そして、結婚して最初の1年間に4名の人妻の内1人は少なくとも1回は性の満足を体験し、21歳から40歳までの間には87%から90%までは、性を満喫し、総括すると性交回数の四分の三までは性感のクライマックスを体験するが、この性交回数の全部を通じてクライマックスを覚えた女性の例は見られなかったと報告している。
川柳 「キンゼイは チャタレイよりも 学があり」吐潮

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