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Channel: 原始人の見聞
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「人工心肺(じんこうしんぱい)」の始まり

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「人工心肺(じんこうしんぱい)」の始まり
 非常に危険な心臓手術を容易で安全にするために、昭和26(1951)9月に名古屋大学医学部の戸田外科では日本で最初の人工心肺装置(手術中に心臓と肺の代理をする装置)を作り、装置を利用して以後の生体の経過を主眼に動物実験を行っていたが、ようやく昭和2810月に成功し、その装置による血液の体外循環も動物の生命も健康にも支障がないことを得た。
 その方法は、装置内に予備血液を満たし、導管を犬の心臓左心耳に差し込み、肺静脈から左房に入る血液を吸収して貯血タンクに入れ、ポンプ(人工心臓)で大動脈の左鎖骨下動脈に導管を差し込んで血液を送り込む、すなわち右心房-右心室-肺動脈-肺静脈-左心房-左心室-大動脈という心臓本来の生理循環のうち、肺静脈から大動脈の間の機能を人工心肺が代行するわけである。

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