$ 0 0 「腎虚の病(じんきょのやまい)」の話 昔、精子は腎臓で作られると思われていた。精液の消耗により衰弱する病のことを「腎虚の病」と言い、その原因は主として房事過度(性行為のしすぎ)である。 安土桃山時代から有望な武人が、この病のために命を短くすることが多かった。例えば徳川家康の次男結城秀康、加藤清正、浅野幸長、池田輝正、大久保長安などがこの病にかかり「それはひとえに好色ゆえである」と『当代記』の著者は書いており、その当時の武士階級の恐るべき裏面生活の堕落ぶりを嘆いている。