「サナトリウム」の始まり
ラテン語のSa-natreが語源で、日光療養所あるいは自然療養所を意味し、郊外の林間・海浜・高原などに設けて、清浄な空気と日光を利用し、主として呼吸器病の患者を収容する所を言う。
紀元前500年前に医聖ヒポクラテスによって提唱されているが、サナトリウム療法の創設者はドイツのブレエメルが1854年にゲルベルスドルフに模範的なサナトリウムを設けたのが始まりである。
次いで、1876年にアメリカのトルウドウが、風光明媚なサラナック湖の畔にアディロンダック・カテージ・サナトリウムを開いている。
日本での完備したサナトリウムは、明治38年(1905)2月に来日したアメリカの宣教師ウイリアム・メレル・ヴォーリズが吉田悦蔵と共に協力して、大正7年(1917)6月に開院した滋賀県北の庄山腹のサナトリウムが始まりである。