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「眼科医(がんかい)」の始まり

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「眼科医(がんかい)」の始まり
 昔の眼科は耳口鼻歯などと併せて一つの専門科とされていたが、はっきり区別して眼科の専門医が生まれたのは室町時代初期である。
尾張国海東郡馬島村の医王山薬師寺の大僧都清眼(だいそうずせいがん)が、延文2年(1357)4月に兵火よって寺が廃絶しようとしたのを再建した。しかし、ある夜、薬師如来より眼の病を治す方書を授けられ、これを実際に試み、霊験が著しいことを知った。これより患者が四方より集まり、たちまちにして馬島眼科の名を轟かした。
その眼科療法は、服薬、薬液、洗浄、軟膏貼付、粉末撒布の他に烙法(火であぶる)、刺針、乳刺、白内障撥下法などの手術を施したという。
このようにして、清眼は薬師二十八坊の首座である蔵南坊(のちの明眼院)に居住し、康暦元年(1379)3月19日に没した。これが日本における眼科専門医の始まりである。

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