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Channel: 原始人の見聞
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「英語通訳(えいごつうやく)」の始まり

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「英語通訳(えいごつうやく)」の始まり
 江戸時代は主としてオランダ語ばかり用いられていた。日本における英語通訳の元祖ともいうべきは中浜万次郎であろう。彼は土佐国幡多郡仲の浜浦の生まれで、天保12(1842)正月に高岡郡宇佐浦から漁に出て風濤に遭い、漂流して八丈島の一孤島にたどり着き、6月になってアメリカの捕鯨船に助けられ、アメリカに滞在すること10年の後、嘉永4年(1851)8月にアメリカの船に送られて帰国した。これを聞いた老中阿倍正弘は万次郎を江戸に招いて海外情勢などを聴取したが、普通の漁師とは違い外国を視察する着眼点が極めて要領を得ていたので、時々屋敷に招いて異国の人情や風俗を物語らせた。そして嘉永6年6月にペリーが来航するにおよび、命を受けてアメリカの文書を翻訳し、また通訳を務め、大いに重宝がられた。

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