Quantcast
Channel: 原始人の見聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1929

「女芝居(おんなしばい)」の始まり

$
0
0
「女芝居(おんなしばい)」の始まり
 歌舞伎の元祖と言われている出雲の阿国の話は差し置いて、江戸時代には女芝居というものは行われず、女の役は主として男優が女形(おやま)となって演じたものである。
 近代になって、女芝居は明治6年(1873)に、女役者の一座を組織して両国の小屋掛芝居を興行した岩井粂八(くめはち:後の市川九女八)が始まりとされている。
 その後、市内の小劇場へ乗り出し、四谷の桐座、麻布森元の開盛座、下谷佐竹原の浄瑠璃座などを興行して廻っていたが、明治17年7月に鶴枝、米花、寿美八らの一門を率いて本所の壽座で旗挙げを行い、「刈萱(かるかや)」「勧進帳」「お玉が池の由来」などを演じたところ、粂八は当時の名優であった九代目市川団十郎にそっくりの演技を行うということで大評判となり、「女団洲」とまで異名され、一時は好劇家を大いに呻らせたという。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1929

Trending Articles