「夜会(やかい)」の始まり
夜間に催される宴遊会のことである。封建時代には夜会など思いも寄らないことで、江戸時代末期の万延元年(1860)正月に、アメリカに赴いた江戸幕府の使節・新見豊前守正興らが、ハワイで夜会に招待された時に「夜陰に出行せざる国風なれば」と断り、晩餐会の招待を受けても「御条約外の国と言ひ、殊に合衆国へ使節の大任すまざる中は遊興どころでは御座らぬ」と固く断っているのが面白い。
日本では明治12年(1879)11月3日の天長節に、外務卿・井上馨が東京の延遼館において開催した夜会が、日本における夜会の始まりである。