「按摩(あんま)」の話
民間療法の一つとして、疲労回復や疼痛(とうつう:ずきずきする痛み)を取り除くために、体を按摩することは古い時代から行われており、中国では導引(どういん)、五禽(ごきん)、坐切(ざせつ)などと呼ばれ、いわゆる医療体操が行われていた。
日本には奈良時代以前から伝えられており、大宝律令(701年制定)の中にも按摩博士・按摩師・按摩生を置き、按摩傷折の方法や判縛の方法を学ばせている。その後、いつしかこの方法は衰退したが、江戸時代になって再び盛んとなり、按摩の治術を研究する医者も現れて、専門的な著述も出るようになった。
『守貞漫稿』によれば、流しの按摩は小笛を吹きながら街中を歩いたとあり、按摩の笛にも二本笛と調子笛の二通りがあったという。
按摩笛 画像の出典:町の按摩さん.com