「亜鉛華(あえんか)」の始まり
酸化亜鉛を工業薬品や医薬品として用いる白色の粉末で、顔料として用いる時は亜鉛白とも呼ぶ。汗を取る「シッカロール」は商標名であるが、亜鉛華や亜鉛華デンプンで作られた薬品である。
日本で亜鉛華を作るようになったのは、明治11年(1878)に奈良県大和郡山の茂木春太・重次郎兄弟によって製造に成功したのが始まりである。
なお、子供の皮膚に散布して、アセモやただれの予防に使う「天花粉(てんかふん)」(ベビーパウダー)は、キカラスウリの根から採ったデンプンである。現在では亜鉛華を混ぜている。