「花束贈呈(はなたばぞうてい)」の始まり
人の吉凶に際して花束を贈る習わしは江戸時代末期から行われるようになった。このことについて当時の文化人であった末松謙澄は、明治41年(1908)11月の『時事新報』に「近時、本邦にて都鄙(とひ:都会と地方)とも人に花を贈ること盛んに行はるるのは、西洋風俗の輸入に基くこと多きもののごとし。さすれば此のさい、その風俗の真似違ひなきやう心得おくべきこと少からねば、とくに大方の注意を促す」とあり、生花、造花、盛り花、花束などの色や種類は吉凶や男女によって違いがあることを説明している。