「上巳の節句(じょうみのせっく)」の始まり
俗に桃の節句、女の節句、桃花節、雛の節句、三月の節句などと言い、暦三月三日に行う節句のことである。上巳とは三月、上(かみ)の巳(み)の日のことであり、この月は辰の月なので巳を除日とし、不詳(ふしょう)を除くためにこれを祝い、かつ祓(はらい)を行う。
江戸時代の寛永7年(1630)より、雛祭を三月三日と定められたので、重三とも言った。
江戸時代からは五節句の一つとして、この日は一番に雛祭りを行うため、雛の節句とも呼ぶようになったのである。また、お雛様に供える白・赤・青・黄色の菱餅(ひしもち)は、白は雪(冬)、赤は花(春)、青は若草(夏)、黄は紅葉(秋)を意味したものと言われている。
歌川豊国画 ひな祭り 虎屋文庫所蔵