「障子(しょうじ)」の始まり
古代の障子は今の衝立のことを言ったが、中世になって布帛(ふはく)や紙などを両面に貼った遣戸障子(やりとしょうじ)だけを障子と言い、これまでの障子を衝立障子(ついたてしょうじ)または略して衝立と言うようになった。
また、別に明り障子(あかりしょうじ)という、表に薄い白紙を用い、裏は骨格(ほね)をあらわにして風塵を避ける工夫をし、室内に明かりを取り込むものであるが、これが近代になって単に障子と呼ばれ、布帛や厚紙を両面に貼った昔の遣戸障子(やりとしょうじ)を襖(ふすま)または唐紙(からかみ)と呼ぶようになった。
縁先美人 鈴木春信画
画像の出典:浮世絵のアダチ版画