「裏書(うらがき)」の話
平安時代は書物のほとんどが写本で、巻物であった。そこに著者や筆者の署名が無い時に、その書物を伝えた人が、これは何某(なにがし)が書き写したものであると、真蹟が確かなものであることを保証するために、巻物の終りの方の裏側に、その由来を書いて署名したものが裏書である。
鎌倉時代からは手紙の表面に文句と月日と宛名を書き、署名を裏面に書いたものを裏書というようになった。
江戸時代には借用証書の裏面に受取り済みの文句を書き署名したものを裏書と呼ぶようになり、それが明治時代になって法律上の用語として手形や証券など、これを他人に譲渡する場合などに、それらを証明する文句を書き、署名することを裏書すると言うようになった。