「文字(もんじ)」の起源
人が意志を伝えたいために、本能的な衝撃から創り出したものに言葉と文字がある。最初は石を彫刻したり、洞窟の絵を描いたりして次第に表現の方法も発達した。この彫刻や絵画が文字の始まりで、東洋の象形文字も西洋のアルファベットも一種の絵から発達したもので、それが表意文字・表音文字へと進化したのである。
こうして出来上がった文字が、どんなものに書かれたかというと、ほとんど手当たり次第に貝殻・棒きれ・石・骨・皮・粘土など、あらゆるものが利用された。
中国では竹の幹を割って、その内側に書く事を発明し、それに漆の液をインクの代用とし、細い竹の茎を削ってペンとした。そして、紀元前300年頃に、秦の蒙恬(もうてん)が毛筆を創始して、絹地に文字を書くようになり、さらに紀元4年頃には生絹から一種の紙を作る事を考案し、ついで桑の樹皮から紙が作られ、紙に文字を記すようになった。