「松葉の薬(まつばのくすり)」の話
明治時代中期頃、名医として知られた松本順の証明のもとに、「松葉を煎じて飲めば脳病に特効がある」ということで行われ始め、次いで松葉や松の実を食べると血圧を降下させて中風を防ぎ、さらに精力を増進して若返らせるとの理由で盛んに行われるようになった。そして「黒松では效が少なく、赤松がよろしい、特に百年以上の老木がよい。就中よいのは人里を離れた深山の自然木から、夜中、日光のあたらないときに採取して、これを暗いところに貯蔵したものがよく、これを水で洗って、そのまま噛むのであって、初め二週間ぐらいは喰いにくいが、一ヶ月も連用すれば胃腸の消化作用が旺盛になって活力を増し、音声も美しく、皮膚も白く艶やかになってくる」とあり、素晴らしい妙薬として宣伝された。
現代ではあまり行われていないが、松葉茶や松葉酒などが販売されている。
松葉茶
画像の出典:健茶薬醍醐