「ミイラ」の語源
本来は防腐剤の名前で、エジプトでは死体に詰めたものである。
ポルトガル語のmirra、あるいはオランダ語のmummie から出た言葉である。
この薬の原料は、古くは没薬(もつやく)とも呼ばれたカンラン科の植物の樹脂で、江戸時代初期にオランダ人が「ミイラ」という名前で日本に持ち込み、万病に効く薬として流行した。
「木乃伊(ミイラ)」という漢字は、古く中国でポルトガル語かオランダ語の発音を著すために当てられた文字である。
日本では医薬品として用いられたが、この薬を用いると死体が腐食しないところから、その名前を取って原形のまま乾燥して固まった死体を「ミイラ」と呼ぶようになった。