$ 0 0 「野葬(やそう)」の始まり 奈良時代の天平宝字4年(760)6月7日に、仏教の篤い信仰者として有名な光明皇后が崩ぜられた時に、御遺言によって仏教で言う野葬が行われた。すなわち、御遺体を野辺に置き、雨露に晒して鳥や獣についばませ、在りし日の花のような美しい顔(かんばせ)や玉の肌が次第に腐れ行く屍陀林(しだりん)の九相のあさましさを目の当たりに示して、衆生の悟りを開かせたという伝説がある。これが日本における史上に表れた野葬の始まりである。