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Channel: 原始人の見聞
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「元結(もとゆい)」の始まり

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「元結(もとゆい)」の始まり
 紙をひねって髪の元を結ぶため元結という。
 奈良時代の白鳳11(683)12月に、詔(みことのり)により男女ともに全て髪を結わしたので、この頃から始まったと考えられる。さらに『古今和歌集』のなかに「君こずばねやへもいらじこ紫われもとゆひに霜はおくとも」とあり、また、『紫式部日記』には「おものまゐるとて、女房八人ひとつ色にさうそきてかみあげ、しろきもとゆひして」とあることでも知ることができる。
 しかし、江戸時代までは各自が紙を縒()って用いたり、あるいは麻縄で髪を束ね、その上を黒い絹で巻いていたが、江戸時代中期頃に越前国において粉紙で元結紙というものを作り出し、『武江年表』の寛文12(1673)のくだりにも「麻布永坂下にて始めて文七元結を製す」とある。当時の元結は紙捻り(こより)を長く縒って水に浸し、さらに車で縒りを掛けて水をしごくために「こき元結」と言われていた。

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