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Channel: 原始人の見聞
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「水掛祝(みずかけいわい)」の始まり

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「水掛祝(みずかけいわい)」の始まり
 前の年に新婦を娶った者が居ると、その友達が誘い合って新年の御祝いをすると言い、婿の家に押しかけていき、婿の家では酒肴を用意してこれを待ち受けるのが例となっていた。一通りの宴飲盃酌が済んでから、婿を庭に抱えだし、頭から水を浴びせかけるのである。
 この始まりは『滑稽雑談』によれば、江戸時代の永禄期頃(15581570)に管領の三好長慶の家臣・松永久秀が姪を寵臣(ちょうしん:お気に入りの家臣)の嫁がせた時、戯れで行ったのが始まりである。しかし、実はそれよりも古く、平安時代から行われていた風習であるらしく、二條為兼の女が筆記したという『後宮名目』によると、白河天皇の中宮賢子が入内(じゅだい)の後、懐妊の噂があった時、承暦2年(1078)正月に関白藤原師実が参内して、突然御まがり(小さな桶)の溜まり水を天皇に掛けた。天皇は不意のことに驚き、呆れていたところ側にいた女房が「驚き怒らせ給うな、これは中宮の御火(月経)どまりを関白が祝われたのです」と申し上げたので、天皇も微笑み遊ばされ少し赤面してうつぶさせ給うたとある。

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